気軽に取り組める論文執筆のステップ

論文執筆を効率的に進めるコツは、「時間のあるときに一気に書き上げよう」とするのではなく、全体の作業を小さなステップに分け、コツコツと積み上げていくことです。今回は、あまり気が乗らないときでも比較的気軽に取り組める作業をご紹介します。

1. 投稿先を決め、投稿規定に沿ったWordテンプレートを作成する

多くのジャーナルでは、投稿規定が非常に細かく定められています。まずは投稿先のジャーナルを決め、投稿規定をしっかり確認しましょう。必要な項目や章立てはジャーナルによって異なり、例えば「結果」を先に書く場合や、「方法」を先に書く場合があります。図表の数や文字数制限などもジャーナルごとに違います。

投稿先が決まったら、次はWordでテンプレートを作成します。文書内に投稿規定に沿った見出しを設け、フォントサイズや行間などの書式設定も合わせておきます。さらに、それぞれの見出しに投稿規定の要点をコメントとして書き込んでおくと便利です。たとえば、「抄録」の見出しには、「構造化か非構造化か」「(構造化の場合の)見出し」「単語数」「略語の使用可否」などを記載します。こうしておけば、後から投稿規定を何度も見直す手間が省けます。

2. 引用文献を文献管理ソフトに取り込む

あらかじめ、引用予定の文献をEndNoteなどの文献管理ソフトに取り込んでおきます。このとき、PDFファイルの重要箇所にハイライトを付けておくと、どの部分を引用すればよいか一目で分かり、後の作業がスムーズになります。

3. 「方法」を書く

研究計画書などを参考にしながら、「方法」のセクションを書いていきます。実験論文の場合は、使用した試薬や機器の正式名称などを正確に記載する必要があるため、あらかじめ確認・整理しておくとよいでしょう。

4. 表の枠組みを作成する

データの提示方法を検討しながら、Wordで表の枠組みを作成しておきましょう。あらかじめ表の形を整えておくことで、後の工程では数値の転記作業に集中でき、入力ミスの防止につながります。なお、元データがExcelにある場合は、数値の転記時にコピー&ペーストを活用するのがおすすめです。もし手入力が必要な場合は、誤記を防ぐために集中できる環境で作業しましょう。

「今日はあまり気が乗らない」「まとまった時間が取れない」という日でも、できるところから着実に作業を進めていきましょう!

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